荒廃した世界をJKが一人旅!?
どうも!ブログ管理人のカミカミ大王(@kamikamichannel)です。
Steamにて早期アクセスゲーム(2022年4月現在)としてリリースされてたテキストアドベンチャーゲーム『ナツノカナタ』をプレイしてみました!
パッと見のグラフィックが結構好みだったので期待しながらプレイしてみたんですが、なんか違う意味で予想を色々と裏切られました(苦笑)
ってことで、その感想を述べてみます。
※アーリーアクセス版の感想なので、正式版では細かい仕様が変わってる可能性があります。
『ナツノカナタ』の感想
それではいつものように各項目ごとに印象や雑感を述べていきます。
当然ながらネタバレ要素含むので、読み進める方はご注意くださいね!
ストーリーはどんな感じ?
あらすじをザックリ説明すると・・・主人公は祖母の遺品整理で見つけた古いPCを興味本位で開いてみたら、何故か別世界の女子高生のスマホに繋がってしまった。
向こうは未曾有のパンデミックにより全世界が荒廃、未知のウィルスにより感染者はゾンビのようになってしまうという中で、一人旅を続ける女子高生ナツノ。
主人公はナツノの話し相手として、(声だけですが)一緒に旅をしながら世界の謎に迫っていく・・・みたいなお話です。
まぁよくあるパンデミック物ではあるんですが、主人公は良くも悪くも蚊帳の外で、実際には直接的にはなにも手出しできないという設定は中々に秀逸だと思いました。
また、全体的にテキストがかなり良く出来ていて、基本的にはナツノやその仲間の会話がメインで進むんですが、各キャラの性格設定も巧く、それに合わせた無理のないリアリティのあるテキストになっています。
なんというか・・・取ってつけたような女子高生っぽさではなく、結構リアルなJKって感じ?(伝われw)
心理描写というほど深いものではないんですが、だからこそ逆にちょっとした会話のテンポや相槌の打ち方なんかが妙にシックリくるというか・・・また状況描写も絶妙なので、文章の組み立て方にもセンスが光りますね。
実写をぼやかしたようなグラフィックや、各キャラのキャラデザがゲームの世界観にマッチしてるのもベネ!!
やはりゲームにとって没入感は大事だと思うので、それが高いレベルで実践されてるのは素直に凄いと思います。
キャラクターはどうよ?
登場キャラクターは少ないんですが、それぞれ個性的でキッチリとキャラ分けされてるのはグッド!
ナツノ
本作の主人公です。
言葉の使い方や言い回しなんかがまさに今時(?)のJKって感じで、かなり「いるいる、こういうコ!」と感じさせる造形は秀逸!
ただ・・・ゲームなので仕方ないとは言え、メチャクチャ冷静で、車も運転できて、銃の扱いにも慣れてて、「引かぬ!媚びぬ!省みぬッ!」って感じで臆せずにズンズン進んでいく女子高生ってのは・・・(;´∀`)
まぁ荒廃した世界で1人で生きてるって時点ですでにもうかなりなタフさがあるものだとは思いますし、作中に自分で「適応力があるけどその代わり一つのことに集中するのが苦手」みたいなこと言うんで、まぁそういう性格(性質)のコなんだと解釈すれば良いのかもですが・・・会話にリアリティがある分、そのへんのリアリティの無さが余計に目立ってしまいました(´・ω・`)
アカネ
明るい年上のお姉さんです。
登場した時には言及されませんが・・・まぁなんとなく察するに「なにかしらこのパンデミックを引き起こした組織に関係する研究者」みたいな立ち位置なんだろうなぁ~って感じるとは思います。
・・・で、物語が進むと「やっぱりそうじゃん!」ってなるキャラですね(苦笑)
コチラも言動の造形がかなりリアルですし、バトルパートがない分、ナツノよりも身近に感じるかも?
シノ
ちょっと能天気な感じの、ナツノと同年代の女の子です。
偶然見つけた写真の場所を巡るために1人で旅してる・・・という設定ですが、いくらなんでもゾンビ(厳密には違いますが)がウロウロしてる世界で武器もなしに1人で旅するってのがちょっと「?」なので、正直ナツノやアカネに感じてたリアリティが薄れてしまって残念でした。
キコ
HPやストアページのキャラ紹介には「ワンコを探して旅する女の子」ってあるんですが・・・本編のドコにも出てこなかったんですよね。。。
選択肢によってはそういう感じなんでしょうか?
それとも・・・印象薄すぎて序盤に出てきてたのに記憶に残ってないだけかな?w
メグル
なんか言動が陰キャ(というか、ラノベなんかに出てくる陰キャ設定っぽい)な画家っぽい女の子です。
このコも当然ながら一人旅してるんですが・・・もうココまで来ると荒廃した世界での女の子の一人旅はこの世界線ではごく自然なことで、そこに突っ込んでは駄目!っていう暗黙の了解が強制されてる感じですw
良くも悪くもビジュアルイメージが良すぎるんで、言動とのギャップが有りすぎて、キャラとしては不自然さが際立ってしまってる感じが残念です。
システムはどう?
メインUIの造形にセンスが光る!
メイン画面のUIが古き良き時代のアドベンチャーゲームのように、「回答を自分でタイピングして入力する」みたいになってる(厳密には少し違いますが)のが秀逸!
ただ、実際には自分で入力する必要はなく、文章中に文字色が変わった単語や文節が出てくるので、それをクリックしてあげれば、文字入力欄にそのまま転送(?)されるように出来ています。
なので、ホントにイチから自分で考えて言葉をひねり出す必要はないので、特に難しい部分はありません(^_^;)
けど、このシステムが作品の世界観にあってるというか・・・主人公はあくまでナツノの旅している世界とは違う ”向こう側の世界の住人” なわけで、会話でしか手助けできないっていうのを巧く表現しているなぁと思いました。
ただ・・・そのシステムのせいで正直もどかしさを感じる部分があるのは否めないです(;´∀`)
また、メイン画面だけでなくストーリーを選ぶ画面やインベントリ画面なども、雰囲気を作る上でよく練られてるなぁという印象。
決して派手ではないですが、シックと言うほど落ち着いてるわけでもない・・・この絶妙なラインを巧く攻めてる感じは良いですね!
アイテム所持数が少なすぎるのはマイナス
まぁ実際に女子高生が持っていける範囲と考えればリアルなんでしょうけど、所持できるアイテムが少なすぎるんですよね。
基本的には武器と食料、そして予備の弾薬を持っとかないと話にならないので、そこにプラス、道中で見つけた重要そうなアイテムを持って帰れるように空きを作っておくことを考えると・・・ブッチャケもうそれだけでほぼ所持数埋まっちゃうんですよね(;´∀`)
なので、結局は毎回ほぼ同じ構成でしか動けないので、コレは改善して欲しいトコロです。
一応、アジト(?)に戻れば収納棚があってそこにアイテムは保管しておけるので、持って帰れさえすれば大丈夫なんですが、前述したようにそもそも持っていける(帰れる)量が少なすぎて大概は道中で無理やり使うか捨てるしか無いという(´・ω・`)
仲間が増えたら、そっちのコに持たせることも出来るんですが・・・そのコがいつ居なくなるか分からないのと、そもそもどれが重要なアイテムか分かりにくいのもあって、(言い方は悪いですが)予備アイテム倉庫としては使いにくいのも難点。
まぁこのへんは正式リリース版で改善されるのを期待しておきます。
クラフトが微妙
アイテムは何かと何かを組み合わせると違うアイテムに出来るんですが、それが正直分かりにくいです。
クラフト画面で作成できるアイテムをクリックすれば、一応何を何個使えば作成できるっていう情報は出るんですが・・・そもそもその材料となるアイテムがどこにあるのか全く分からない&持って帰るのに苦労するのもあって、クラフト自体がブッチャケ死にシステムになってる気がします。
コレも結局は所持アイテム数を増やせれば大体は解決できることなんですけどね(;´∀`)
BGMはどうなのよ?
コレは個人的にはメチャクチャ良かったです。
荒廃した世界ではあるけど、旅する中で自然を感じたり人との出会いを楽しめたり・・・みたいな、この作品全体に感じる雰囲気を凄く良くあらわしたBGMだと思います。
美しくも儚い、けど広がりを感じる旋律・・・みたいな?
世界設定としてはパンデミックで荒廃した世界ではあるんですが、どこか懐かしい・・・青い空と緑が広がる草原のある田舎のような美しい描写がされているのもあって、そこにマッチするベストなBGMだと感じました。
『ナツノカナタ』感想 まとめ
全体的には無料とは思えないぐらいにハイレベルにまとまってる作品だと思います。
特に、ビジュアルとBGMがかなり良くて、それぞれ単体でもレベルが高いんですが、このゲームの世界観とも合っていることで、相乗効果でより一層作品のレベルを上げているんじゃないでしょうか?
ただ・・・今現在(2022年4月)アーリーアクセス版ということで、作品自体は完結しておらず中途半端な終わり方になってますし、内容的には正直そこまで面白いというほどではないです(;´∀`)
しかも、UIは作品の世界観を形作るのに一役買ってると思わせるぐらいにセンスは感じるものの・・・ブッチャケ使いやすいとは言いづらい部分がまだまだあるので、全体的には荒削りにも感じます。
けれど、上記でも何度も触れているように、とにかく独特な世界観があって、それをビジュアルやBGMが巧く機能して作品を構築してるのは素直に見事!といった感じ。
総じて・・・
早期アクセス版であるという点を考えれば、十分すぎる内容
かと思います。
まだまだ正式リリースまでに時間がかかってしまいそうなのは残念ですが、だからこそ今いろんな人にプレイしてもらって、様々な意見が欲しい状況なんじゃないですかね?
結局、謎がほぼそのまんまで終わってしまうので、正式リリース版ではこの話をどう持っていくのか?ってところに、製作者さんの力量が問われるのだと思いますが・・・この独特な世界観の構築と軽妙洒脱な台詞回しには光るセンスがあるので、その時まで正座待機して待っておきたいと思いました。
話の内容的に、ラノベが好きな方なんかには結構スンナリ没入できると思うので、パッと見のビジュアルやあらすじに少しでも惹かれた方はぜひプレイしてみてくださいね!
あ、そうそう!プレイ時間的には、今現在開発中の所(エピソード4-7)までなら、管理人は10時間ぐらいでした。
一応・・・これで作品は終了しているのであれば、これ以上の時間がかかるようにはならないとは思うので、まぁサクッと気軽にプレイできるんじゃないでしょうか?
けどまぁ・・・あの終わり方では個人的には全然終わった感しないんですよねぇ。
ただ最近のこういうSF(少し不思議)系の物語って、結構こんな終わり方が多い&ベターな気もしないでもないので、そういった意味でも正式リリースされたらどう変わるのか楽しみでもあります(^_^;)
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